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ChatGPT導入の進め方|個人利用か、会社契約か

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執筆者

ChatGPTを会社で使えるようにすること自体は難しくありません。法人向けのプランを契約してアカウントを配れば、その日から使えます。多くの会社では、方針が決まるより先に社員が自分のアカウントで使い始めています。しかし、ChatGPTを使う業務までは把握できていません。

この記事では、

  • 社内の利用実態の確かめ方
  • 個人プランと法人プランのデータの扱い方の違い
  • 法人プラン2種の料金とできること
  • 会社として何を決めるか
  • どの順番で進めるか
  • 費用は何で決まるか

を解説します。

要点

この記事の要点

  • ChatGPTの導入とは、すでに使われているものを会社の契約に載せ替えること
  • 入力したデータの扱いが、個人向けプランと法人向けプランで違う
  • 法人向けは2つ。選ぶ基準は金額ではなく、必要な管理機能の範囲
  • 会社が決めるのは、設定では縛れない部分。入力してよい情報と、確認する人
  • 費用は席数の月額だけでは決まらない

ChatGPTの導入とは?

会社にとってのChatGPT導入とは、契約主体を個人から会社に移し、使ってよい範囲を会社が決めた状態にすることです。アカウントを配ることではありません。

個人契約・ルールなしの状態から、会社契約・使ってよい範囲が決まった状態への移行を示す図

順番が逆になっている会社がほとんどです。社員が自分で使い始め、便利だと分かった段階で会社に相談が上がる。この時点で会社が決めるのは、導入するかどうかではなく、すでにある利用をどう扱うかです。

だから検討は、製品の比較ではなく社内の現状確認から始まります。

なお、AI導入という言葉そのものの範囲を先に確認したい場合は、以下の記事を読んでおくと、この記事の位置づけが分かりやすくなります。

AI導入とは?社員が使っても進まない理由AI導入とは、AIを買うことではなく、どの仕事をどこまで任せ、誰が結果を確認するかを決めることです。社員が個人で使っていても会社として進まない理由、他社が止まっている場所、候補になる業務の見つけ方、始める前に決める3点を公的調査をもとに整理しました。AI導入記事を読む

社内で誰がどう使っているかを確かめる

確かめる観点は4つです。誰が、どの業務で、どんな情報を、どのアカウントで扱っているか。

確かめる観点

確かめる観点

何を聞くか

分かること

誰が使っているか

業務でChatGPTを開いたことがあるかを、部署ごとに聞く

一部の人の話か、すでに広がっているか

どの業務で使っているか

何をさせているか。要約、下書き、調べもの、翻訳など

思いつきで使っているか、業務に組み込まれているか

どんな情報を入れているか

貼り付けている元の文書は何か。顧客とのやりとり、社内規程、見積書など

線引きをどこに引く必要があるか

どのアカウントで使っているか

個人の無料版か、個人で契約した有料版か、会社が用意したものか

契約主体が誰になっているか

分かれ目は4つ目です。会社が費用を負担していても、契約が個人名義なら契約主体は個人のままです。経費で精算しているから会社の管理下にある、とはなりません。

この確認を誰かに任せられる会社ばかりではありません。

AI・ITの推進体制

割合

特定の部署はなく、経営者や現場が個別に推進している

88.0%

※ 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月公表・有効回答1,605社)

9割近くの会社に、AI導入を取りまとめる部署がありません。 つまりこの確認は、決める側が自分で進めることになります。

個人プランと法人プランで、データの扱いが違う

違いが出るのは、入力した内容をモデルの学習に使うかどうかの扱いです。

OpenAIの公式料金ページには、プランごとの比較表に「コンテンツをモデルの学習に使用」という行があります。

個人向けプランと法人向けプランの学習利用の扱い

プラン

公式表の記載

無料版・Go・Plus・Pro(個人向け)

無効化可能

Business・Enterprise(法人向け)

使用されない

2026年8月25日時点

法人向けの2プランには「使用されない」とあり、Businessのプラン説明にも「デフォルトではビジネスデータを学習に使用しません」と書かれています。

実務上の差はここに出ます。無効化できるとしても、その設定は社員個人のアカウントの中にあります。会社の側から、全員がその設定にしているかを確かめる方法がありません。 1人ずつ画面を見せてもらう以外に手段がなく、退職や異動のたびに同じことを繰り返すことになります。

業務のなかでは、次のような形で起きます。

  • 見積書の体裁を整えさせるために、前回の見積書をそのまま貼り付ける
  • クレーム対応の返信案を作らせるために、顧客から届いたメールを本文ごと貼り付ける
  • 就業規則の改定案を書かせるために、現行の社内規程をまとめて貼り付ける

どれも悪意でも規則違反でもありません。早く仕事を終わらせようとした結果です。

ここで、社内ルールを整えれば契約は個人のままでよい、という考え方が出てきます。ルールで決められるのは、何を入力してよいかまでです。入力されたあとの扱いは、契約している側にしか関わりようがありません。ルールと契約は、どちらかで代用できるものではありません。

法人プランは2つ。料金とできることの境目

法人向けは ChatGPT Business と ChatGPT Enterprise の2つです。ほかに大学向けの Edu がありますが、企業の選択肢には入りません。

料金

料金

プラン

料金

条件

無料版

¥0/月

個人向け

Go

¥1,400/月

個人向け。広告が表示される場合があると記載あり

Plus

¥3,000/月

個人向け

Pro

¥16,800/月から

個人向け

Business

¥3,050/1ユーザーあたり月(年額課金)
¥3,850/1ユーザーあたり月(月額課金)

2名以上から

Enterprise

カスタム価格

営業への問い合わせが必要

2026年8月25日時点の公式料金ページの表示

料金表から読み取っておく点は3つです。

料金表の読み取り3点

見ておく点

内容

年額と月額で差がある

Businessは年額課金¥3,050、月額課金¥3,850。1人あたり月800円、10人で年間9万6,000円の差になる

Plusとの差は月50円

個人のPlus¥3,000とBusiness¥3,050。すでに社員がPlusを使っているなら、金額は切り替えを止める理由にならない

Enterpriseに公表価格がない

金額を知るには営業への問い合わせが必要。この時点で検討スケジュールに数日から数週間が乗る

※ 非営利団体は OpenAI for Nonprofits を通じて、BusinessまたはEnterpriseを最大75%割引で利用できると記載されています

できることの境目

BusinessとEnterpriseは、金額よりも管理機能の範囲で分かれます。

ChatGPT BusinessとEnterpriseに含まれる管理機能を左右に分けて比較した図

どちらを選ぶかは、次のように分かれます。

Businessで足りるか、Enterpriseを検討するか

当てはまる状況

判断

アカウントの配布先を管理したい/会社のアカウントでログインさせたい/退職者のアクセスを止めたい/請求を一本化したい。従業員20名から300名程度の会社が最初に必要とするのは、この範囲

Businessで足りる

部署ごとにアクセス権を変える必要がある/会話ログを監査の対象として外部に取り出す/データの保存先を日本国内に限定する/人事システムと連動させて入退社を自動反映させる

Enterpriseを検討する

先にBusinessで契約主体を会社に移し、要件が出た時点でEnterpriseを検討する。 この順番のほうが、実態に追いつくのが早くなります。

機能面の差は限られます。

機能面の差

項目

Business

Enterprise

社内ナレッジの参照、共有プロジェクト、GPTの社内共有、Microsoft 365・Google Drive・Slackなどとの接続

使える

使える

一度に読ませられるテキストの長さ

約40ページ分

約250ページ分

長い契約書や規程をまとめて読ませたい業務があるかどうかが、ここでの分かれ目です。

会社が決めること

契約すれば決まるものと、契約しても決まらないものがあります。

管理画面で縛れるのは、誰が使えるかまでです。何を入力するか、どの業務まで任せるか、出てきたものを誰が確認するかは、設定項目として存在しません。ここが、会社が言葉で決めるしかない部分です。

入力してよい情報をどこで区切るか

機密情報は入力しない、という決め方では実務が止まります。業務で扱う文書のほとんどが、広い意味では社外に出せないものだからです。情報の種類ごとに3段階で区切ります。

入力してよい情報の3段階

区分

考え方

そのまま入れてよい

自社で作った文章のうち、社外に出しても差し支えないもの

公開済みの資料、社内会議の議事録の下書き

加工してから入れる

固有名詞を外せば内容だけを扱えるもの

顧客とのやりとり、問い合わせメール

入れない

内容と当事者が切り離せないもの

人事評価、与信情報、契約書の原本

顧客情報ではなく、見積書、問い合わせメール、提案書のように、社員が手元で見ている名前で書くと、判断に迷いが出ません。

使ってよい業務の範囲をどう決めるか

範囲は、業務そのものではなく、どこまで任せるかの線で決めます。下書きまでは任せる、社外に出るものは人が確認してから出す。この形です。

生成AIを活用している業務の割合

生成AIを活用している業務

割合

メールや報告書、議事録の作成と要約

74.0%

各種デスクワーク作業の支援と自動化

48.7%

商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査」(2026年1月調査・有効回答3,892社)。会社主導で導入している、または個人利用を推奨している企業に限った回答で、この層は全体の約3割

積極的に使っている会社でも、中心は事務的で定型的な作業です。範囲を広げるほど確認の負担が増えるため、最初は下書きが成果物になる作業に寄せます。

出てきたものを誰が確認するか

確認する人を決めるとは、その工程に間違いに気づける人がいるかどうかを確かめることです。

詳しくない分野の調査結果をまとめさせても、それが正しいかどうかは判断できません。自分が毎週書いている報告書の下書きなら、おかしければすぐ分かります。同じ確認でも、成立する場合としない場合があります。

ここまでで、決裁者が決めることと、任せてよいことの線が引けます。

決裁者が決めること・担当者や外部に任せてよいこと

決裁者が決めること

担当者や外部に任せてよいこと

入力してよい情報の3段階

規程の文書化

使ってよい業務の範囲

契約手続き

確認の責任を持つ人

アカウントの配布

どのプランで始めるか

管理画面の設定

いつ判断を区切るか

社内への説明資料

導入の進め方

順番があります。プラン選定を先に置くと、席数の見積もりが後で変わってやり直しになります。

  1. 1STEP 1社内の利用実態を確かめる4つの観点で、部署ごとに聞く。
  2. 2STEP 2入力してよい情報の線引きと、確認する人を決めるここが決まらないと、配ったあとに判断が現場に丸投げされる。
  3. 3STEP 3使ってよい業務の範囲を決め、対象になる部署を出すここで初めて席数が決まる。
  4. 4STEP 4プランを決める要件がなければBusiness。年額と月額の差を確認する。
  5. 5STEP 5限定して配る全社ではなく、範囲に該当する部署から。管理画面でSSOとメンバー管理を設定する。
  6. 6STEP 61か月後に一度、遅くとも3か月で区切って確認する使われているか、確認の工程が回っているか、決めた線引きが実務で守れているか。

判断の材料は、削減できた時間ではなく、決めた条件が実務で成立しているかです。線引きが守れていないなら、社員の問題ではなく線の引き方が業務と合っていない可能性が高く、そこを直せば続けられます。

止める場合に何を戻すかも、始める前に決めておきます。

  • アカウントの停止
  • その業務を元の手順に戻す方法

情報がそろってから決める、という進め方は現実的ではありません。

項目

割合

適切なベンダーや製品を選定する情報が十分にある、に当てはまらない

79.8%

※ 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(AI・ITの導入・活用についての設問・有効回答1,631社)

情報が足りないまま決める側に回るのが普通の状態です。だから、決め切るのではなく区切りを決めて始めます。

費用は何で決まるか

契約の月額だけでは決まりません。3つで決まります。

費用に積む項目

積む項目

何で額が変わるか

決めるのは誰か

契約の月額

席数と課金方式。Businessなら1ユーザーあたり月¥3,050(年額課金)または¥3,850(月額課金)、2名以上

会社。使ってよい業務の範囲から逆算する

決めごとにかかる時間

入力してよい情報の線引きと、確認の手順を決めるのにかかる社内の時間

会社。決裁者と、実際に業務を回している人

作り込み

社内の資料や過去のやりとりを参照させるかどうか。既製のまま使うなら不要

会社と外部の支援者

契約の月額は計算できます。20人なら年額課金で月¥61,000、年間¥732,000。50人なら月¥152,500、年間¥1,830,000です。この金額自体が判断の障害になることは、あまりありません。

分かれ目は3つ目の「作り込み」です。 既製のまま使う範囲であれば、費用は契約の月額でおおむね収まります。社内資料を参照させたい業務が範囲に入った時点で、そこから先は契約とは別の費用になります。

これは契約の話ではなく業務の中身の話で、対象の業務が決まらないと判定できません。作り込みが必要になった場合にどこまでを外部に任せられるかは、サービスの対応範囲で確認できます。

つまずきやすいところ

つまずきやすいところ

つまずき

何が起きるか

どうするか

全社に一斉に配る

範囲外の部署では使い道が見つからず、席数だけが残る

使ってよい業務の範囲を決めてから、該当する部署に配る

Enterpriseから検討を始める

価格を聞くだけで日数がかかり、そのあいだ個人アカウントの利用が続く

要件が出てから検討する。まずBusinessで契約主体を移す

月額課金のまま1年以上使う

1人あたり月800円の差が残り続ける

継続が決まった時点で年額に切り替える

管理画面を設定して終わりにする

設定で縛れるのは誰が使えるかまで

何を入力してよいかは、言葉で決める

切り替え後も個人アカウントが残る

併用された分は従来どおり会社の管理外

配ったあとに使われ方を確かめる役を置く

まとめ

まとめ

まとめ

  • 導入とは、契約主体を会社に移し、使ってよい範囲を会社が決めること。アカウント配布はその一部
  • プランは金額ではなく、必要な管理機能で選ぶ。要件がなければBusinessから
  • 契約では決まらないのは、入力してよい情報・使ってよい業務の範囲・確認する人の3つ
  • 進める順番は、実態確認 → 条件決め → プラン選定 → 限定配布 → 3か月で区切り
  • 次にやることは2つ。誰が何に使っているかの把握と、入力してよい情報の線引き

よくある質問

Q

ChatGPTの法人導入は、いくらから始められますか。

A

ChatGPT Businessが1ユーザーあたり月¥3,050(年額課金)で、2名から契約できます。月額課金の場合は¥3,850です。最小構成の2名なら年額課金で月¥6,100です。2026年8月25日時点の公式料金ページの表示によります。

Q

BusinessとEnterpriseはどちらを選べばいいですか。

A

要件がなければBusinessです。管理画面、SSO、メンバーの一括管理、請求の一元化、学習に使わない扱いは、Businessに含まれます。部署ごとのアクセス権の細分化、監査ログの外部取り出し、国内へのデータ保存、人事システムとの連動が必要な場合にEnterpriseを検討します。Enterpriseは公表価格がなく、営業への問い合わせが必要です。

Q

社員が使っているPlusをそのまま経費精算にすれば足りませんか。

A

契約主体が個人のままなので、会社の管理は入りません。誰がアカウントを持っているかを会社側で管理できず、退職時にアクセスを止めることもできません。学習への利用の扱いも、公式表では個人向けは「無効化可能」であり、法人向けの「使用されない」とは記載が異なります。金額差も1人あたり月50円です。

Q

社員の利用を一律で禁止するという判断はありますか。

A

禁止という判断自体はできますが、禁止したことを確かめる方法がありません。個人のアカウントは会社の管理外にあり、使われているかどうかを会社側から確認できないためです。確認できないことを承知したうえで決めることになります。

参考にした情報

  • OpenAI「料金|ChatGPT」。プラン別の料金、最低ユーザー数、セキュリティと管理機能の比較表。https://openai.com/ja-JP/chatgpt/pricing/ 確認日 2026年8月25日
  • OpenAI「OpenAI におけるエンタープライズプライバシー」。ページ内表記は更新内容 2026年1月8日。https://openai.com/ja-JP/enterprise-privacy/ 確認日 2026年8月24日
  • 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月公表。調査期間は2025年11月17日から12月12日、調査対象は全国の中小企業10,000社、Webアンケート。https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202603_AI_report.pdf 確認日 2026年8月24日
  • 商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査」2026年1月調査、2026年3月31日公表。有効回答3,892社。https://www.shokochukin.co.jp/report/data/assets/pdf/futai202603.pdf 確認日 2026年8月24日

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