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日本のAI導入率|規模・業種別の最新データと自社の立ち位置

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日本のAI導入率を、1つの数字で言うことはできません。公的な統計だけでも、2割前後の数字と9割近い数字が同時に存在します。どちらも間違ってはおらず、測っているものが違うだけです。ただ、そのどれもが自社の数字ではありません。

この記事では、自社の会社規模と業種から、使うべき数字を1つ選び出す手順を説明します。最後まで読んでいただけたら、その数字を社内へ出せるだけでなく、自社がAIをまだ入れていない側なのか、入れた後で止まっている側なのかを仕分けられます。

要点

この記事の要点

  • 調査ごとに測ったものが違うため、日本の導入率は2割から9割まで割れる
  • 使うべきは全国平均ではなく、自社の会社規模と業種に当たる数字
  • 資本金の小さい中小企業と大企業では、導入率におよそ5倍の開き
  • AIを入れた会社の半数近くが、その後の使い方を会社として決めていない
  • 社内で出すときに添えるのは、調査名、聞いた相手、答えた会社数、いつの調査か

日本のAI導入率

「日本のAI導入率」として使える単一の数字はありません。調査ごとに会社の規模や質問内容が変わるので、自社がどこにあてはまるのか確認することが大切です。

調査ごとの導入率の違い

調査

何を測ったか

誰に聞いたか

数値(答えた会社数)

公表

総務省 令和7年通信利用動向調査

IoTやAI等のシステム・サービスの導入

常用雇用者100人以上の企業

27.3%(2,487社)

2026年5月29日

中小企業基盤整備機構 実態調査

AIの導入。生成AIや画像認識などを含む

中小企業。資本金5,000万円以下が93.4%

20.4%(1,647社)

2026年3月

総務省 令和8年版情報通信白書

生成AIを1つ以上の業務で利用

日米独中の企業アンケートの日本分

86.4%(477社)

2026年7月24日

この3調査を足したり平均したりして、1つの導入率にすることはできません。同じ表に並んでいても、聞いた相手と測定対象が重なっていないためです。社内で使う数字は、自社が対象に入る調査から選びます。

この3調査から分かるのは、「日本のAI導入率」が測り方の数だけ存在するということです。だから最初にすることは、自社がどの調査の対象に入るかを決めることです。

もう1つ確認するのは、いつの調査かです。この領域の数字は1年で大きく変動するため、「いつの調査か」を確認することが大切です。

%どうしの差はポイントで表します。白書の生成AI利用も、2024年度は55.2%でした。古い数字は現在地を示しません。

なぜ2割と9割の数字が並ぶのか

AI導入率を測った調査は、どれも間違っていません。数字が割れる原因は、次の4つです。

数字が割れる4つの理由

確認すること

調査によって違うこと

数字への影響

何をAIと呼んだか

AI全般か、生成AIだけか

IoTを含む調査もあり、AIだけの数字とは限らない

誰に聞いたか

100人以上の企業か、中小企業か、全国の企業か

聞く相手が変われば数字も変わる

何を導入と数えたか

会社として導入した状態か、社員が業務で使っている状態か

ここがいちばん大きな差を生む

いつの調査か

1年で数十ポイント動く

昨年の数字は現在地を示さない

この4つが、数字が割れる原因のすべてです。だから新しい数字を見つけたときは、まずこの4点を確認します。4点を確認できない数字は、社内で使いません。

海外と比べると、日本の位置は次のようになります。

生成AIを業務で使う企業の国際比較

生成AIを業務で使う企業

答えた会社数

日本

86.4%

477社

米国

90.9%

308社

ドイツ

91.6%

308社

中国

98.1%

308社

使い始めているかどうかで見る限り、日本だけが大きく離れているわけではありません。差がつくのは、使い始めた後です。

海外との比較は、自社が動くかどうかの判断材料になりません。見るのは、次の章の自社の規模帯の数字です。

中小企業に絞った調査の読み方は以下で説明しています。

中小企業のAI活用|「様子見」で終わらないための判断条件中小企業のAI導入率は20.4%、生成AIの活用は中小32.4%。母数つきの調査で規模・業種・体制の実態を示し、やるか先送りかを自社の状態で決める2つの問いと、「今はやらない」が判断として成立する条件を解説します。AI導入記事を読む

自社の規模感と業種での比較

ここで探すのは、自社と同じ資本金帯・同じ業種の会社が、どれくらいAIを導入しているかです。

まず資本金規模別です。

資本金規模別のAI導入率

資本金

導入している割合

答えた会社数

社内で出すとき

1,000万円未満

13.2%

100社

1つ上の帯と並べて出す

1,000万〜3,000万円未満

20.7%

590社

そのまま使える

3,000万〜5,000万円未満

25.1%

364社

そのまま使える

5,000万〜1億円未満

22.5%

562社

そのまま使える

1億〜5億円未満

37.7%

513社

そのまま使える

5億〜10億円未満

31.9%

65社

1つ上か下の帯と並べて出す

10億〜50億円未満

47.6%

128社

1つ上か下の帯と並べて出す

50億円以上

65.5%

165社

そのまま使える

この表は常用雇用者100人以上の企業に聞いた調査です。100人未満の会社は対象に入っていません。その場合は、次の業種別の表の右の列か、中小企業全体の20.4%を使います。

右端の列は、答えた会社数から決めています。答えた会社が少ない区分ほど、1社の回答で結果が動くためです。

規模の開きは資本金1,000万円未満と50億円以上でおよそ5倍ありますが、覚えるべきはその倍率ではありません。控えるのは、自社の資本金帯の1行だけです。自社の導入が進んでいないと感じていても、同じ規模帯で比べると平均的、ということが起こります。

次に業種別です。従業員100人未満の会社は左の列に含まれないため、右の列を見ます。

業種別のAI導入率

業種

100人以上の企業

中小企業

情報通信業

39.6%

54.6%

製造業

30.6%

16.4%

建設業

25.5%

15.9%

卸売・小売業

27.6%

卸売16.8%/小売19.4%

運輸・郵便業

18.1%

9.7%

サービス業・その他

23.2%

該当する区分なし

宿泊・飲食業

該当する区分なし

18.0%

左は総務省の調査、右は中小企業基盤整備機構の調査です。聞いた相手が違うため、左右の差を引いても意味はありません。

突出しているのは情報通信業だけで、それ以外の業種に大きな差はありません。自社の業種が平均より低くても、多くは業種ではなく規模の問題です。

業種の数字は、規模帯の数字に添える2つ目の材料として使います。業種だけで自社の位置を決めません。

「導入している」会社は何を決めたのか

AIを導入した会社の多くは、その先を決めていません。生成AIについて組織的な取組がない企業は、中小企業で45.6%、大企業で18.1%あります。

生成AIへの取り組み方(企業規模別)

生成AIへの取り組み方

大企業

中小企業

全社横断で取り組んでいる

26.1%

11.9%

各部署で取り組んでいる

35.0%

26.9%

個人の生産性向上にとどまる

12.2%

10.6%

組織的な取組はない

18.1%

45.6%

わからない

8.6%

5.0%

総務省の令和8年版情報通信白書によるものです。企業規模別の答えた会社数は公表されていません。日本全体では497社が答えています。白書の大企業と中小企業の定義も公表されていないため、この表に自社を当てはめる必要はありません。

この表から言えるのは、中小企業の場合、AIを入れていないことより、入れた後に何も決めていないことのほうが多いということです。

だから自社を見るときは、規模ではなく状態で区分します。未導入なのか、導入済みだが会社としては何も決めていないのか。このどちらかを決めることが大切です。

CREARIへ相談に来る会社も、対象業務の棚卸しから始まる案件が半数以上を占めます。ただし、相談に来る会社とこの記事を検索して読んでいる会社が、同じ分布とは限りません。

会社としてAIを導入するときに何を決めるのかは、AI導入とは?社員が使っても進まない理由で説明しています。

決める項目の洗い出しから相談できます

自社の位置が、導入済みだが会社としては何も決めていない側だと分かった場合、次に必要になるのは決める項目の洗い出しです。CREARIでは、現状分析から導入設計、PoC検証、運用改善までを支援しています。何を決めるかが固まっていない段階からのご相談も受けています。

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この数字を社内でどう出すか

数字だけを出すと、出所を聞かれた時点で止まります。次の4点を添えます。

社内で数字を出すときに添える4点

  • 調査名。どの調査の数字か
  • 聞いた相手。100人以上の企業か、中小企業か
  • 答えた会社数。何社が回答したか
  • いつの調査か。調査した年と、公表された日

4点がそろっていても、読み方を誤ると指摘を受けます。

やってはいけない読み方

やってはいけない読み方

理由

別々の調査の数字を足す、引く、差を出す

聞いた相手が重なっていないため、差に意味がない

調査名や対象を示さずに「AI導入率は◯%」と書く

測ったものと対象企業が限られている

効果があったと答えた割合を、自社の効果予測に使う

答えたのは導入できた会社だけで、導入していない会社は入っていない

答えた会社数が少ない区分を、業界の傾向として語る

数社の回答で結果が動く

導入率が上がった理由を書く

この調査は増減の理由を尋ねていない

数字を1つ選んだら、それが何を測ったものかを一緒に確かめてから出します。 出所を聞かれて答えられれば、そこで話が止まることはありません。

立ち位置がわかった後にすること

自社の規模帯の数字と、未導入か導入済みかの区分。この2つが出ていれば、次に進む方向が決まります。

自社の状態別に次にすること

自社の状態

次に決めること

参考になる記事

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中小企業のAI活用|「様子見」で終わらないための判断条件

社員が個人で使っているが、会社としては何も決めていない

対象業務、確認する人、止める条件

AI導入とは?社員が使っても進まない理由

社員が個人利用しているが会社として導入できていない会社は、CREARIにご相談いただく企業様の中でほとんどがこのような企業様です。統計の上でも、いちばん多い状態です。

まとめ|使うのは全国平均ではなく自社の規模帯

日本のAI導入率を1つの数字で言うことはできません。社内へ持ち帰るのは、自社の資本金帯と業種に当たる数字と、それが何を測ったものかという説明です。

そして、その数字が本当に示しているのは、入れていない会社が多いという事実ではありません。入れた後に何も決めていない会社が、中小企業では半数近くを占めるということです。

だから最初にすることは、他社の数字を集めることではありません。自社が未導入なのか、使ってはいるが何も決めていないのかを確かめることです。これは統計を調べなくても、社内を見れば分かります。

自社の位置は分かったが、そこから何を決めればよいかが社内で出てこない。この段階のご相談を受けています。

決めていない状態から何を決めるかは、対象業務の中身を見ないと判定できません。AIが必要な作業なのか、通常の自動化で足りるのかの切り分けにも、業務の実態と技術的な制約の両方を見る必要があります。CREARIは年間40社以上のAI導入を支援しており、そのうち半数以上が対象業務の棚卸しから始まっています。AIでなくても足りる場合は、そうお伝えしています。

ご相談では、自社が未導入なのか導入済みだが未決定なのかの確定と、自社のどの業務について何を決めるべきかの洗い出しまでを整理します。

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