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生成AIで業務効率化する方法|向いている業務と作業フロー

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生成AIを使えば、文章作成や情報整理にかかる時間を短縮できます。ただ、社員がChatGPTなどを使い始めただけでは、会社として業務効率化が進んだとは言い切れません。

実際に考えたいのは、「どのツールを導入するか」よりも先に、どの作業を、どこまで生成AIに任せるかです。メールの下書き、議事録、問い合わせ対応、社内資料の作成など、一見すると生成AIを使えそうな仕事は多くあります。その中から効果を確認しやすい業務を選び、人が確認する工程まで含めて仕事の流れを組み直す必要があります。

この記事では、生成AIで効率化しやすい業務の特徴から、具体的な作業フロー、最初に試す業務の選び方、効果の測り方まで解説します。

要点

読み終えたときに決められること

  • 最初に試す作業
  • 生成AIに任せる工程と人が確認する工程
  • 効果を判断するための指標

ツールより先に対象作業を決める

生成AIによる業務効率化というと、ChatGPTやMicrosoft Copilotなどのツール選びから始めたくなるかもしれません。ただ、先にツールを決めても、「結局どの仕事で使うのか」が曖昧なままでは効果を確認しにくくなります。

例えば、営業担当者が提案書の下書きに生成AIを使う場合を考えてみます。

これまで担当者が過去資料や商談メモを読み、一から文章を組み立てていたのであれば、その「最初の案をつくる工程」を生成AIへ渡せます。一方、顧客情報が正しいか、提案内容が実際の契約条件と合っているかといった確認は、人が担当したほうが安全です。

ここで変えているのは、営業という仕事そのものではありません。

「情報を集める → 下書きをつくる → 確認する → 完成させる」という仕事の一部を、生成AIと人に分け直しています。

生成AIによる業務効率化を考えるときは、この単位まで仕事を分けて見ると、自社に当てはめやすくなります。

なお、生成AIに限らずAI全般でどのような業務効率化ができるか、会社全体の効果をどう考えるかについては、関連記事「AI業務効率化|作業は速くなるのに、会社の数字が変わらない理由」で詳しく整理しています。

生成AIで効率化しやすい業務に共通する4つの条件

生成AIを使える仕事は多いものの、最初に試す業務として向いているものには共通点があります。

生成AIで効率化しやすい業務に共通する4つの条件(入力材料の有無・繰り返し発生・たたき台としての価値・人による確認)を示した図

入力に使える材料がすでにある

生成AIは、何もない状態から答えを出させるより、元になる情報を渡して処理させたほうが業務に組み込みやすくなります。

会議の文字起こしから議事録をつくる、過去の資料から提案文のたたき台をつくる、社内規程をもとに問い合わせへの回答案をつくる、といった使い方です。

反対に、判断材料そのものが社内に存在しない業務では、生成AIを入れても確認の負担が大きくなります。

繰り返し発生している

月に一度しか発生しない作業より、毎日・毎週繰り返している作業のほうが、効率化した効果を確認しやすくなります。

特に、文章の下書きや要約、情報整理のように、一件ごとの負担はそれほど大きくなくても回数が多い仕事は候補になりやすいところです。

ここでは「大変そうな仕事」だけを見るのではなく、件数と作業時間を掛け合わせたときに負担が積み上がっている仕事を探します。

出力が「たたき台」でも価値を持つ

最初から100点の成果物を生成AIに求めると、対象にできる業務はかなり限られます。

一方で、議事録の初稿、メールの下書き、調査結果の要約、FAQの回答案など、「人が最後に直す前提でも作業が前に進む」ものなら導入しやすくなります。

生成AIに完成品を任せるのではなく、人がゼロからつくっていた部分を減らすと考えたほうが分かりやすいです。

人が内容を確認できる

生成AIが出した内容を、担当者が正しいか判断できることも欠かせません。

例えば、社内規程についての回答案であれば、総務担当者が元資料と照らして確認できます。営業メールなら、担当営業が顧客情報や提案内容を確認できます。

反対に、出力が正しいか社内の誰にも判断できない仕事は、最初の対象としては扱いにくくなります。

生成AIで業務効率化しやすい仕事の具体例

業務名だけを見るより、「今どの作業をしていて、生成AIを入れるとどこが変わるか」で比較すると、自社に近いものを見つけやすくなります。

生成AIで業務効率化しやすい仕事の具体例

業務

現在の作業

生成AIに任せる部分

人が確認する部分

効果を見る指標

会議・議事録

内容を聞き直して要点を整理する

文字起こしから要約・議事録案を作成する

決定事項、担当者、期限

議事録作成時間、修正量

営業資料

商談情報から文章を一から作る

提案文や構成のたたき台を作成する

顧客情報、条件、提案内容

初稿作成時間、修正回数

メール対応

内容を確認して毎回文章を書く

返信文の下書きを作成する

事実、表現、送信可否

返信作成時間、手戻り

社内問い合わせ

資料を探して回答を書く

関連情報を整理し回答案を作成する

最新の規程、回答内容

調査時間、回答時間

リサーチ

複数資料を読み要点をまとめる

情報の要約・比較・論点整理を行う

出典、数字、解釈

調査時間、確認時間

文書作成

ゼロから構成と文章を作る

構成案や初稿を作成する

事実、社内表現、最終品質

初稿までの時間、修正量

ここで見たいのは、「生成AIを使える仕事が何個あるか」ではありません。

自社で繰り返し発生していて、今の作業時間を確認できるものがあるかです。候補がいくつもある場合は、最初から全部を対象にせず、効果を比較しやすい作業を1つ選んだほうが進めやすくなります。

生成AIに下書きを任せ、人は確認と判断を担当する

生成AIで業務を効率化するとき、仕事を丸ごと自動化する必要はありません。

むしろ最初は、人が担当している工程のうち、時間がかかっている部分だけを生成AIへ移すほうが、効果とリスクの両方を確認しやすくなります。

例えば議事録なら、これまでの流れは次のようなものでした。

議事録作成における従来のフロー(会議から内容確認まですべて人が担当)と、生成AI活用後のフロー(生成AIが議事録案を作成し、人が決定事項や担当者を確認する)を比較した図

人の確認そのものをなくしているわけではありません。時間がかかっていた「最初の形をつくる作業」を減らしています。

社内問い合わせでも同じです。

担当者が毎回資料を探し、一から回答文を書くのではなく、承認された資料をもとに生成AIが回答案を作り、担当者が内容を確認して返す形に変えられます。

このように見ると、生成AIの業務効率化は「人をAIに置き換える」というより、人がゼロから作業していた工程を減らし、確認や判断へ時間を寄せることだと考えたほうが実務には当てはめやすくなります。

最初に試す業務の5つの条件

候補業務が複数出てきたら、生成AIとの相性だけで決めないほうがよいです。実際に試したあと、続けるかどうかを判断できる業務を選ぶ必要があります。

最初に試す業務の5つの条件

確認すること

最初の候補にしやすい状態

発生頻度

毎日・毎週など、繰り返し発生している

現在の負担

作業時間や件数を把握できる

入力データ

元資料・文章・記録などが用意できる

確認方法

担当者が出力の良し悪しを判断できる

リスク

入力情報や利用環境のルールを決められる

この5つがそろっていれば、「使ってみたら便利だった」で終わらず、導入前後を比較できます。

例えば、毎週発生している資料作成で、現在の作業時間も把握できており、完成物を確認する担当者も決まっているなら、試したあとの評価がしやすくなります。

逆に、年に数回しか発生せず、成果物の正しさを判断できる人もいない仕事は、生成AIとの相性が良さそうに見えても最初の対象には向きません。

効果は作成時間と「確認と手戻り」まで測る

生成AIを入れた効果を見るときに、「文章をつくる時間が何分減ったか」だけでは判断しきれません。

下書きは速くなっても、間違いが多くて確認時間が増えていれば、業務全体ではあまり短縮できていない場合があるからです。

最低限、次の3つは導入前後で見ておきたいところです。

  1. 作業全体にかかった時間
  2. 生成AIの出力を確認・修正した時間
  3. やり直しや差し戻しが発生した回数

議事録なら「会議終了から共有できる状態になるまで」、提案書なら「材料がそろってから初稿が完成するまで」のように、測定する単位を先に決めます。

生成AIによるタスクの時間削減について、次の調査結果があります。

16.7%

生成AIを使用したタスクの平均時間削減率

1週間あたりでは26.4分の削減。企画・相談・思考整理、資料作成・編集などでは比較的大きな削減時間も確認されている

出典: パーソル総合研究所(2025年10月24〜28日実施、正社員3,000人対象の本調査)

ただし、この数字をそのまま自社の目標値にするものではありません。業務内容や生成AIの使い方、確認工程によって効果は変わるため、自社では対象作業のBefore/Afterを同じ条件で測っておくことが大切です。

会社全体の生産性まで含めて効率化の効果を見る方法については、こちらで詳しく整理しています。

AI業務効率化|作業は速くなるのに、会社の数字が変わらない理由生成AIを使っているタスクの所要時間は平均16.7%、週26.4分短くなっています。一方でその削減は会社全体の効率化にはつながっていません。調査データをもとに、削減の規模と、効果を会社に残すために先に決めることを整理します。AI導入記事を読む

作業時間の削減と、会社全体の効率化はイコールではありません。浮いた時間の使い道まで含めて考えることが必要です。

生成AIを使わないほうがよい業務もある

「効率化したい仕事がある=生成AIを使う」と考える必要はありません。

決まった条件に従って同じ処理を繰り返すだけなら、生成AIより通常の業務システムやワークフロー、自動化ツールのほうが合う場合があります。

例えば、「特定の条件なら決められた宛先へ通知する」「決まった項目を別のシステムへ転記する」といった仕事では、生成AIに判断させる理由があまりありません。

もう一つ見ておきたいのが、人が確認できるかどうかです。

経済産業省の「AI事業者ガイドライン 第1.2版」でも、AI利用者が適切な利用方法を考え、出力内容を確認することについて書かれています。

生成AIでできるかどうかだけでなく、生成AIを使うことで、本当に今の仕事が簡単になるかを見る必要があります。

小さな業務から試す

対象業務が見つかったら、いきなり全社へ広げる必要はありません。

最初は次の流れで、1つの作業だけを試します。

  1. 1STEP 1対象にする作業を1つ決める試す業務を1つに絞ります。
  2. 2STEP 2現在の作業時間と流れを確認する導入前の作業時間と流れを確認します。
  3. 3STEP 3生成AIに任せる部分と、人が確認する部分を決める生成AIに任せる範囲と、人が確認する範囲を決めます。
  4. 4STEP 4小さな範囲で実際に使う決めた範囲で実際に生成AIを使ってみます。
  5. 5STEP 5導入前後の時間・確認工数・手戻りを比較する導入前後で時間・確認工数・手戻りを比較します。

ここまで行えば、「生成AIが便利だったか」ではなく、「この業務では続ける価値があるか」を判断できます。

効果が確認できた業務から対象を広げればよく、思ったほど変わらなかった場合は、別の作業へ切り替えることもできます。

会社として生成AIを導入するときの対象業務、入力ルール、受け入れ基準の決め方については、こちらで詳しく確認できます。

生成AI導入の進め方|社内で最初に決める3つのこと生成AIを社内導入する際に決めるべき「対象業務」「入力してよい情報」「合格ライン」の3点を、決裁者の視点で整理。手順どおり進めても止まる理由と、広げる・やめるの判断時点まで解説します。AI導入記事を読む

対象業務が決まったら、入力してよい情報の範囲や、合格ラインをどこに置くかまで、会社として決めておくと運用がぶれにくくなります。

まとめ|最初に決めるのは「どの作業を、どこまで生成AIに任せるか」

生成AIによる業務効率化では、使えるツールや事例をたくさん集めることより、自社の業務を1つ選んで仕事の流れに落とし込むことが先です。

最初に決めておきたいのは、次の3点です。

まとめ

最初に決めておきたい3点

  • どの作業を対象にするか
  • 生成AIにどこまで任せ、人が何を確認するか
  • 導入前後で何を測るか

ここまで決められれば、生成AIを試す目的もかなり具体的になります。

一方で、「効率化したい業務は見えているが、既存の生成AIサービスで対応できるのか、社内システムとの連携や個別開発まで必要なのか分からない」という段階では、実装方法を決める前に業務側の要件を整理しておいたほうが進めやすくなります。

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