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AI導入の費用|確認できる金額と、自社の数字の作り方

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AI導入の費用は、すでにあるAIツールを人数分契約するだけなら、1人あたり月数千円です。この範囲は各社の公式サイトに価格が出ているので、調べればすぐ分かります。難しいのはその先です。自社にしかない資料や仕事のやり方をAIに読ませようとすると、公開された価格がありません。

この記事では、公式に価格が出ているのはどこまでかと、価格が出ていない部分の金額を自分で組み立てる方法を説明します。読み終えたら、社内に出す予算の数字を、その根拠とセットで自分で作れるようになります。

要点

この記事の要点

  • 社内へそのまま出せる相場はなく、出せるのは公式価格と自社の条件から作った数字
  • 費用の大きさは、既存ツールを使うか、自社の情報を読ませるかの分かれ目
  • 公式に価格が出ているのは、ツールの月額と、使った分だけ払うAPIの単価まで
  • 見積書にも公式価格にも載らない費用として、社内側の作業時間が別に発生
  • 見積もりを頼む前に決めるのは、対象業務、使う人数、扱う資料、つなぐシステム

AI導入の費用が桁で変わる分かれ目

分かれ目は1つです。すでにあるツールを設定して使うだけか、自社にしかない資料や仕事のやり方をAIに読ませるか。

AI導入費用が「既存ツールを買う」か「自社の資料を読ませる仕組みを作る」かで大きく変わることを示した分岐図

AI導入の進め方と費用の形

進め方

費用の形

契約前に金額が分かるか

すでにあるAIツールを人数分契約する

1人あたり月数百円から数千円

分かる。公式サイトに価格が出ている

AIに処理させた分だけ払う

使った量に応じて増える

単価は分かる。総額はどれだけ使うか次第

自社の資料や手順を読ませる仕組みを作る

1件ごとの見積もり

分からない。条件が決まってから決まる

ツールの契約と作り込みを組み合わせる

月額と見積もりの両方

一部だけ分かる

上の2行は、すでにあるものを買う話です。3行目は、自社のために作る話になります。買う話なら値札がありますが、作る話に値札はありません。自社がどちらに近いかが決まらないうちは、どの数字を見ても自社の話として読めません。

使いたいツールがもう決まっている場合は、以下の記事で費用の決まり方を説明しています。

ChatGPT導入の進め方|個人利用か、会社契約かChatGPTを会社で導入するときの進め方をまとめました。社内の利用実態の確かめ方、個人プランと法人プランのデータの扱いの違い、法人プラン2種の料金とできること、会社として何を決めるか、費用は何で決まるかまでを、OpenAI公式の記載をもとに整理しています。AI導入記事を読む

買う話か作る話かが決まったら、次は手元にある金額が社内で使えるかを確かめます。

その金額は社内の根拠になるか

そのままでは使えません。使えるのは、どこから来た数字かが書かれていて、自分で開いて同じ数字を確かめられるものだけです。

相場として出回っている金額の多くは、その数字がどの案件から出たものかが書かれていません。 書かれていなければ、読む側から確かめようがありません。役員会や経理に出したときに、その数字はどこの数字かと聞かれて答えられなくなります。

手元の数字を社内に出してよいかは、3つ見れば分かります。

社内に出してよい数字か確かめる3点

  • 誰が出した数字か。仕事を受ける側が書いたものか、価格を出している提供元のものか
  • いつの数字か。確認した日付が書いてあるか
  • 自分で確かめられるか。そのページを開いて、同じ数字が出てくるか

3つとも当てはまる数字は、実際にはかなり限られます。

出典を確認できる金額はどこまでか

公式に価格が出ているのは、ツールを人数分契約する場合と、使った分だけ払う場合の単価までです。開発費と導入支援費は、価格を出している会社が見当たりません。

以下は各社の公式ページに出ている金額です。ChatGPTは2026年8月26日、ほかは2026年8月25日に確認しました。

各社公式ページの価格

ツール

公式ページの表示額

価格の前提

ChatGPT Business

標準シート 月3,050円(年額課金)/3,850円(月額課金)。プレミアムシート 月15,250円/19,250円

2名以上から。シートの種類で5倍前後の差

Microsoft 365 Copilot

月2,698円(年払い。通常3,148円)/3,778円(月払い)

Microsoft 365のビジネスプランを契約していることが前提の追加オプション

Google Workspace

Starter 800円/Standard 1,600円/Plus 2,500円

Geminiの機能が広がるのはStandard以上。3か月50%オフの表示あり

どれも1人あたりの月額です。ただし、この金額をそのまま人数分掛ければ済むとは限りません。Copilotはそれだけでは契約できず、土台になるMicrosoft 365の契約料が別にかかります。 年払いの割引は期間が決まっているので、2年目からは割引なしの価格で計算しておくと、あとで予算が足りなくなりません。

処理した分だけ払う形(API)の単価は、OpenAI APIの料金ページに出ています。ただし総額はどれだけ使うかで決まりますし、自社のシステムとつなぐ開発費はこの単価に入っていません。

見積書にも公式価格にも載らない費用

公式価格を足しても、それは予算になりません。見積書に書かれるのは外の会社に頼む作業だけで、次の4つは自社でやることになるからです。

見積書に書かれる金額の外側に、社内で行う4つの作業が別に発生することを示した構造図

社内で発生する作業とやらないまま進めるリスク

社内で発生する作業

やらないまま進めると

どの作業をAIに任せるか洗い出す

頼む内容が固まらず、会社ごとに違う前提で見積もりが返ってくる

読ませたい資料を集めて形をそろえる

始めてから資料の整理が追加され、期間も費用も延びる

誰が使えるか、何を入力してよいかを決める

使い始める直前で止まり、稼働の時期がずれる

使い方を対象の部署に伝える

契約だけ残って、使われないまま費用が出ていく

最初の洗い出しは、外から見えにくい作業です。CREARIが受けている年間40社以上のAI導入支援では、その半数以上が、どの作業を任せるか決めるところから始まります。 相談に来る会社の傾向ではありますが、頼む側が想定していなかった作業がここに入ることはある、ということです。

誰がどれだけの時間を使うかを空けたまま予算を決めると、始まってから担当者の負担だけが増えます。効果を何で測るかは、以下の記事で説明しています。

AI業務効率化|作業は速くなるのに、会社の数字が変わらない理由生成AIを使っているタスクの所要時間は平均16.7%、週26.4分短くなっています。一方でその削減は会社全体の効率化にはつながっていません。調査データをもとに、削減の規模と、効果を会社に残すために先に決めることを整理します。AI導入記事を読む

測り方が決まっていれば、見積もりに載る金額と、あとで社内に出す数字がつながります。

見積もり依頼の前に決める4つのこと

自社の金額は、次の4つが決まった時点で作れます。逆にこれが決まらないうちは、どこに頼んでも正確な見積もりは返ってきません。

見積もりを依頼する前に決めておく4つの項目(対象の作業・使う人数・扱う資料・つなぐシステム)を示したチェックリスト図

見積もり依頼の前に決める4つのこと

決めること

どこまで決めるか

決まっていないと

対象の作業

問い合わせメールの最初の返信、のように作業を名前で指せる状態

見積もりがAI導入一式になり、比べられない

使う人数

その作業を実際にやる人の数。全社員の数ではない

1人あたりの月額を掛ける相手が決まらない

扱う資料

読ませたい情報の種類と、それがいまどこにあるか

資料の整理が要るかどうか分からず、金額の幅が残る

つなぐシステム

どのツールと、どこまで自動でつなぐか

作る範囲が決まらず、あとから追加になる

このうち最初に決まらないことが多いのは、対象の作業です。その選び方は、以下の記事で説明しています。

AI導入とは?社員が使っても進まない理由AI導入とは、AIを買うことではなく、どの仕事をどこまで任せ、誰が結果を確認するかを決めることです。社員が個人で使っていても会社として進まない理由、他社が止まっている場所、候補になる業務の見つけ方、始める前に決める3点を公的調査をもとに整理しました。AI導入記事を読む

候補の挙げ方は、以下の記事で説明しています。

AI活用事例|業種別の使われ方と、自社の業務に当てはめる方法中小企業でのAIの使われ方を、業種別の集計で示しました。8業種で何に多く使われているかを回答数つきで確認し、そこから自社で最初に試す作業を1つ選ぶまでの基準を説明します。AI導入記事を読む

つなぐシステムが多い、資料の整理が必要、誰が何を見られるかを細かく分ける必要がある。これが重なるほど、出てきた金額はあとから動きます。4つを先に決めるのは、その動く幅を先に閉じるためです。

決めた4つは、そのまま見積書を比べるときの物差しになります。 同じ内容を同じ細かさで全社に渡していれば、返ってきた金額の差は会社の差として読めます。渡していない場合は、何人分か、1人あたりか1件あたりか、何年分入っているか、一式と書かれた中身は何かを聞いてから並べます。初期費用と年払いの割引は初年度だけなので、初年度と2年目以降は分けておくと稟議で使えます。

補助金を使った場合の実質負担

稟議で聞かれるのは総額ではなく、自社がいくら払うかです。ただし補助金は、申請して通った場合にもらえるものなので、通る前提の金額を確定した数字としては書けません。

以下は2026年8月25日時点で公開されている内容です。表に出てくるプロセスとは、いくつの業務にソフトウェアを入れるかという、制度側の数え方です。定義と最新の条件は中小企業デジタル化・AI導入支援事業 通常枠の公式ページに出ています。

中小企業デジタル化・AI導入支援事業 通常枠の公開内容

項目

公開内容

補助率

1/2以内。低賃金要件を達成している場合は2/3以内

補助額

1プロセス以上で5万円以上150万円未満。4プロセス以上で150万円以上450万円以下

対象経費

ソフトウェア購入費とクラウド利用料が必須。クラウド利用料は最大2年分。導入コンサルティング、導入設定、研修、保守サポートも対象

締切

5次締切は2026年9月29日17時、交付決定日は2026年11月9日の予定

補助金の実質負担額を、総額に補助率を掛けた額と区分上限額の低いほうを総額から引いて求める計算の流れを示した図

もらえる額の上限が、そのまま自社の負担が減る額ではありません。 総額に補助率を掛けた額と、区分ごとの上限額を比べて、低いほうがもらえる額の目安になります。総額からその額を引いた残りが、稟議に出す自社の負担です。

対象になる経費の一覧に、社内の作業時間は入っていません。 前の章で挙げた社内側の負担は、補助の外側で自社が持つものとして予算に入れます。

まとめ|相場を知らなくても、自社の数字は作れる

AI導入の費用に、社内へそのまま出せる相場はありません。出せるのは、出どころと日付を自分で確かめられる公式価格と、自社の条件から組み立てた数字だけです。

稟議に出すものは、最初の分かれ目で変わります。

まとめ

稟議に出すもの、最初の分かれ目で変わる

  • すでにあるツールで足りそうな場合:公式価格に人数を掛けた月額と、社内側の作業時間。金額まで出せます
  • 作り込みが要りそうな場合:決めた4つと、同じ内容で複数社に見積もりを頼むという進め方、そして金額が決まるのは見積もりが返ってきてからだという見通し

自社だけで決めにくいのは、そのどちらに当たるかという一点です。 どんな資料を扱うかは社内の人にしか分からず、それが技術的にできるかどうかは外の会社にしか分かりません。

CREARIは、AI導入の計画づくりから実際に作るところ、使われる状態にするところまでを支援しています。

任せたい作業を1つ書き出したうえで、既存のツールで足りるのか作り込みが要るのかが判断できない場合は、そこからご相談いただけます。AIではなく普通の自動化で足りる場合は、そのようにお伝えします。

AI導入の費用と進め方をご相談ください

ご相談とお見積もりは無料で、最短1営業日でご返信します。お問い合わせフォームには、だいたいの予算を書く欄があります。この記事の4つと公式価格の行が手元にあれば、そこは埋められる状態です。

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よくある質問

Q

AI導入の費用は、費用計上と資産計上のどちらになりますか

A

何にいくら払ったかによって分かれるため、一律には決まりません。買ったソフトは、その年に全部経費にするのではなく、何年かに分けて費用にしていくのが基本です。国税庁のNo.5461では、ソフトウェアは形のない資産、つまり無形固定資産として扱われ、何年に分けるかは、複写して販売するための原本または研究開発用のものが3年、それ以外が5年と決まっています。また、資産として計上する金額のこと(取得価額)には、購入代金だけでなく、設定作業や自社に合わせて直してもらった費用も含まれるとされています。見積書のどの行がこれに当たるかは個別の判断になるので、最終的な処理は顧問税理士へご確認ください。確認日は2026年8月25日、ページの表記は令和7年4月1日現在法令等です。(参照:[国税庁 No.5461](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5461.htm))

Q

月額のAIツールを契約するだけなら、見積もりは要りませんか

A

ツールの利用料だけなら、公式価格に人数を掛ければ月額が出ます。見積もりが要るのは、自社のシステムとつなぐ場合と、自社の資料や過去のやり取りをAIに読ませる場合です。

Q

補助金の申請を手伝ってもらえますか

A

CREARIは事務局に登録された支援事業者ではないため、申請の代行やお手伝いは行っていません。この補助金は、登録された事業者と一緒に申請する仕組みです。CREARIにご相談いただけるのは、やりたいことが既製のソフトを買う話なのか、自社用に作る話なのかという切り分けの部分です。